狭小地・接道難地も民間活用へ加速
東京都は現在、都内に点在する「未利用の都有地(公有地)」の活用を本格的に推進しています。
都内には 約280カ所・約120ヘクタールもの未利用地が存在し、その多くが行政利用の見込みが立たず、長期間遊休化している状況です。
■ 未利用の都有地とは?
- 道路工事や公共施設の移転で“端地”として残った土地
- 行政施設の跡地で、次用途が未定のまま放置されている土地
- 接道が無い、狭すぎる(20〜50㎡)など建築が難しい土地
都は好立地であるにも関わらず活用が進まないケースも多く、
**「有効活用できれば地域活性化につながる土地」**として民間の知恵を取り入れる方針に転換しています。
■ 活用が進まない背景
- 行政施設としての利用はサイズ・形状の制約があり困難
- 接道義務を満たさず建物が建てられない場合がある
- 都庁内での活用調整に時間がかかり、1年で10件程度しか動かない
特に100㎡以上の未利用地だけでも、189カ所が用途未定のまま残っています。
■ 民間活用が期待される理由
近年では、狭小地でも民間ニーズが増加しています。
例えば――
- シェアサイクル拠点
- コンパクトな店舗
- 隣接土地の所有者による買い取り
- 観光地エリアでの宿泊関連用途
台東区浅草の54㎡の都有地では、複数の隣接者から購入希望が出ているなど、民間側の需要は着実に高まっています。
■ 都の今後の方針
東京都は2025年度中に「都有地活用指針」をまとめる予定で、
- 民間事業者への賃貸
- 区市町村への貸し出し(転貸含む)
- 入札による売却
- 期間限定の暫定利用
など、多様なスキームで活用を促進する計画です。
■ まとめ:都有地の活用は今後の不動産市場でも注目領域に
一度売却してしまうと再取得が難しい首都圏の土地事情を踏まえ、
東京都は「都民の資産を有効に使う」という視点のもと、未利用地の活用を加速させています。
狭小地・接道難地であっても、
アイデア次第で価値が生まれる時代です。
不動産事業者としても、
今後の民間公募・売却スキームは注目すべき動きと言えます。
